2012/04/20

Generation Kunduz -The war of the others

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アフガニスタン北部のクンドゥツ(Kunduz)という町を舞台に、5人の若者に焦点を当てながら今のアフガニスタンをおったドキュメンタリー映画。

アフガニスタンからもドイツで治療を必要とする子どもたち引き受けている平和村。
これは見逃さずにはおれない、とスタッフ+研修生あわせて9名で、この映画が上映されるデュイスブルクの映画館に足を運んだ。

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10歳の靴磨きのミルヴァイス。タリバン政権下、パキスタンで避難民として生活をしていた一家の長男。
タリバン撤退後、アフガニスタンへ帰還したはいいが、家族は満足に稼ぎがえられず、この少年は学校に通いながらも、家族のために毎日靴磨きの仕事に従事している。

「ぼくが家族を支えなければ」
「世の中はやっぱりお金が必要だ」
「この不運な人生から抜け出すためにも、しっかり勉強し将来は医者かエンジニアか、学校の教師になる」

と、凛とした、でもどこか悲しげな表情で話す10歳の彼。
私が10歳だったころ、どれだけ自分が生きる社会をみていただろうかとふと考えた。
彼はタリバンがどんな人たちなのか、外国の兵がアフガニスタン各地にいることをどう思うか、なぜ家族はまずしくなってしまったのか、いろんなことをインタビューで語っていた。

女性が外に出て働くことが、未だに一般的ではないと言われているアフガニスタンの地方ラジオ局で働く女性、ナザニンや、“自由”をもとめてフィクション映画を撮る若い男女グーラムとカテラ、自由で公正な平等選挙の実現を夢見て活動を続ける大学生、ハジブ。

タリバン政権下、そして外国軍が駐在するアフガニスタンで育った彼らが、どのように世の中を変えていこうと活動しているか、切望しているかを、この映画は教えてくれる。


監督は、長年ドイツ公共放送ADRやDeutschlandfunktなどでジャーナリストとして活躍しているマルティン・ゲルナー(Martin Gerner)。記者としてアフガニスタンの情報を発信する一方で、アフガニスタンの次世代ジャーナリストを育てる活動もしている。

この映画を通して、海外メディアが報道する内容だけではわからないアフガニスタンの「今」を知ることができ、「アラブの春」のような大規模な反政府デモ・抗議活動ではないけれど、彼らの地道な自由への活動を通して、アフガニスタンの「これから」を少なからずも展望できた。
そして何より、毎日平和村で接しているにも関わらず彼らの故郷、アフガニスタンを自分の目で見たことがない私にとって、彼らがどのような生活環境におかれているか、どのような人たちと生きているかを知る貴重な映画だった。



Interview with Martin Gerner Part 1(in German)


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