女性の首相に、
戦争孤児のベトナム系ドイツ人の副首相、
同性愛者ということをカミングアウトしている外務大臣、
そして車いすに乗る財務大臣。
一般的に、これまで政治の表舞台には登場することがまれだった少数派(マイノリティー)がそろった閣僚たち。
そんな内閣がここドイツには現在存在しています(2012年1月現在)。
そのあたり保守的な日本で育った身としては、なんだかとても画期的かつリベラルだという印象を受けますが、みなさんはどう感じられるでしょうか。
【噂の閣僚たち】
メルケル首相 女性初のドイツ首相。 首相として現在第2期目。 物理学者として原発擁護派の立場だったが、 福島原発事故以来、原発稼働延長を取りやめた。 |
- アンゲラ・メルケル首相(57歳):物理学者。初の女性首相
- フィリップ・レスラー副首相兼経済技術大臣(38歳):医者、政治家。
- ギド・ヴェスターヴェレ外務大臣(50歳):弁護士、政治家。
- ヴォルフガング・ショイブレ財務大臣(69歳):政治家
2010年に入籍を果たしたヴェストヴェレ外相 以前、BBC記者が英語でなげかけた質問に対して、 質問の内容に答えるのではなく 「ここはドイツなんだから、まずはドイツ語で話したまえ」 という旨の珍回答ぶりを見て、 個人的にとても印象が強い外相。 プライベートも包み隠さず、 同性愛者であることをカミングアウトした。 |
レスラー副首相。 戦争孤児として、9ヶ月の時に養子縁組のためベトナムから当時の西ドイツに連れてこられる。 そのハノファーで医学を学び医者に。若さあふれるFPD(自民党)党首。 |
ヴォルフガング財相。
保守派政党ドイツキリスト教民主同盟(CDU)の党首も務めた。CDUの中でも特に保守派。1990年の選挙イベントで暗殺犯に銃を撃たれ、命には別条がなかったものの、彼のボディーガードは負傷し、ヴォルフガング自身も事件以降車いす生活を送っている。
多様性あふれるメルケル第二期内閣。
だから、多くの国民はこの内閣に共感し支持している!
と、物事はそう簡単にいくものではありません。
結局は、「この内閣は女性がこんなにいるからイイ内閣だ」なんて、必ずしも声を大にして言えるわけではないと、こちらの例からしみじみ思う私でした。
ドイツの政治も、経済同様混迷中。。。